コンテナ化されたセキュアなCephとUbuntuのコンテナイメージ
by Canonical on 10 August 2023

Cephalocon 2023(オランダ・アムステルダム)で発表したように、CanonicalはCephのコンテナイメージを公開しました。これによってUbuntuでCephを使用している、またはCephをデプロイしたい平均的なCephユーザーにどんな影響があるのか、ブースには多くの質問が寄せられました。
このブログ記事では、CephのコンテナイメージをUbuntuで実行するユーザーのメリットと、それらが具体的にどのようにセキュリティを改善するかを解説します。
OCIとは
OCIイメージ(Open Container Initiative)とは、対応する各種のホスト環境で使用可能な標準化されたソフトウェアコンテナです。長年、ソフトウェアの配布には通常のパッケージが使用されてきました。しかし、環境によっては、言語ランタイム、システムライブラリ、その他の依存ファイルが異なり、使用したいソフトウェアとの協調がテストされていない場合があります。
ソフトウェアコンテナは、ソフトウェアとそれを取り巻く環境の両方をカプセル化することで、この問題を解決します。これによりユーザーは、多くのパッケージを管理することなく、必要なソフトウェアを含むコンテナイメージからインスタンス化した1つのコンテナを実行するだけで済みます。イメージのプロバイダー(この場合はCanonical)は、周辺のオペレーティングシステムとCephオーケストレーションツールを使用して互換性テストを実行するだけでなく、イメージ内のパッケージを速やかに更新します。これが最も重要な点です。
Ubuntuのコンテナイメージを使用する理由
コンテナレジストリからダウンロードするコンテナイメージの出所を知ることは、ユーザーにとって重要です。そしてもちろん誰でも、豊富なコンテナレジストリのいずれかにイメージを公開することができます。
Cephに関して言えば、アップストリームの開発チームは複数のコンテナイメージを提供し、Cephの最新の数リリースをサポートしています。これらのイメージは大手コンテナレジストリのquay.ioで公開されているため、その出所を信用することができます。
しかし、実運用環境でパッチが絶対に必要なのに、アップストリームがまだ修正ファイルを公開していない場合はどうすれば良いのでしょう? 親切なユーザーがパッチ済みのイメージを公開してくれるかもしれませんが、信用できるでしょうか? 他のパッケージが追加されているかもしれませんし、セキュリティバグのある旧いバージョンが誤って混ざっているかもしれません。
Ubuntu Pro + インフラサポートは、幅広いオープンソースソフトウェアに対して通常は24時間以内にホットフィックスを作成できるCephのプロを集め、この状況に対応しています。これならパッチ済みの信用できるコンテナイメージを提供できます。
Ubuntuリポジトリとスポンサー付きのコンテナレジストリを通じて、Canonicalは自社ソフトウェアのユーザーに修正ファイルをアップストリームプロジェクトより速く提供します。
Ubuntu OCIとアップストリームイメージの違い
提供されるCeph OCIは、cephadmで管理されるCephクラスターと完全な互換性を持ちます。またCanonicalは、Rookでデプロイされたクラスターとの完全な互換性にも努めています。
唯一の違いは、CanonicalがUbuntuリポジトリに含まれるCephパッケージを使用してイメージを構築することです。このためCanonicalはイメージのコンテンツに関して完全な知識と制御力を持ち、パッチが緊急に必要な場合に特に力を発揮します。
またCanonicalは、Ubuntu上のCephの最新バージョンでテストを実行し、パッケージを使用したインストールと、cephadmやRookによるコンテナを使用したデプロイの両方に対応しています。
入手方法
現在、GitHubのコンテナレジストリ(こちら)でイメージを公開しています。
使用方法
以下の2つの方法でテスト済みです。
イメージの使用についてご不明な点があれば、Cephに関するディスコースページ(こちら)をご覧ください。
詳細情報
ニュースレターのサインアップ
関連記事
マイクロラボの構築方法
信頼性の高いホームラボを実現する4つの原則 10年以上ホームラボ(homelab)を運用する中で、私はいくつかの苦い教訓を学びました。単なる「ラボ」として始めたものでも、つい守りたくなってしまいます。サービスが長時間停止したり、データが失われたりすれば、壊滅的な大惨事に思えます。Postfixサーバーがダウンすれば、メールが届かないのではないかと眠れなくなります。しかし、試行錯誤を重ねる中で、こうしたトラブルの発生頻度を抑え、発生しても復旧時間を短縮できるようになりました。ここでは、これからホームラボを始めようとする方のために、私が得た教訓を4つの原則としてお伝えします。 この原則のおかげで、家族、友人、そして私自身が安心して使える信頼性の高いホームラボを維持し、なおかつ […]
Ubuntu ProをNutanixのベアメタルKubernetesで提供
NutanixとCanonicalのパートナーシップ拡大によりコンテナ化されたワークロードの選択肢が増加 Enterprise Kubernetes®は、柔軟性の高いマルチアーキテクチャモデルへと進化しつつあります。AI/MLやデータ集約型のワークロードが膨大なハードウェアスループットを必要とする近年、組織はクラウドプラットフォームの安定性を維持しながら、ベアメタルのパフォーマンスを求めています。 このためNutanixとCanonicalは、このたび発表されたNKP Metalソリューションも含め、ベアメタルで実行するNKP(Nutanix Kubernetes Platform)インスタンスでもUbuntu Proを利用可能にしました。もともと2025年に発表されたパ […]
Ubuntu 26.04 LTSのセキュリティ最新情報
Ubuntu 26.04 LTSは、Canonicalにとって最もセキュリティを重視したLTSリリースです。単に機能を追加しただけでなく、システムのあらゆる層で同時にセキュリティの基準を引き上げ、全体的に強化しました。しかも既存の環境を壊したり、手動での介入が増えたりすることはありません。セキュリティの心臓部、つまりデフォルト設定に注力することで、CanonicalはUbuntuのセキュリティを新しい形で強化しました。この記事では、Ubuntu 26.04 LTSの新しいセキュリティ機能について概説します。 Ubuntu 26.04 LTS は、デスクトップ、サーバー、コンフィデンシャルVM、クラウドイメージ、エッジシステムでLinuxを運用する上で、今後10年間にわたっ […]