Canonical、Ubuntu 26.04 LTS Resolute Raccoonを公開

by Canonical on 1 June 2026

Ubuntu11番目のLTS(長期サポート)リリースで、エンタープライズワークロード向けにシリコンを高度に最適化し、最新のセキュリティを搭載。

Canonicalは本日、Ubuntu 26.04(コードネーム「Resolute Raccoon」)をリリースしました。jp.ubuntu.com/downloadからダウンロードとインストールが可能です。

Resolute Raccoonは、TPM(Trusted Platform Module)を使用したフルディスク暗号化、アプリケーションのアクセス許可プロンプトの改良、Arm®ベースのサーバーに対応するLivepatch更新、メモリの安全性を高めるRustベースのユーティリティにより、復元性を重視した中間リリースでの改良をさらに発展させました。今回のUbuntu 26.04 LTSでは、NVIDIA CUDAやAMD ROCmなど業界最先端のAI/MLツールキットもネイティブでサポートされ、AI開発および実運用ワークロードに最適なプラットフォームとなります。

Ubuntu 26.04 LTSは、オープンソースの革新と進歩を積極的に取り入れると同時に、クラス最高の復元性を実現します。シリコン、カーネル、クラウドの最適化とアップストリームの最新機能により、プラットフォームを問わずUbuntuに最高のオープンソースを提供するというCanonicalの目標を達成します。

Canonical、Ubuntuエンジニアリング担当副社長、Jon Seager

Ubuntu 26.04 LTSを無料でダウンロード

アクセスの容易さと生産性を目標に開発

Ubuntu 26.04 LTSは、最新のGNOMEデスクトップ環境と新しいデフォルトアプリケーション群の導入とともに、Waylandを全面的に採用し、X.orgからのアップストリーム移行を完了しました。この移行により、美しい画面表示、モニターごとのサイズ調整、タッチ操作とジェスチャー操作のネイティブサポートが実現し、スクリーンのティアリングが解消されるとともに、すべてのプラットフォームで性能が最適化されます。NVIDIAの実運用向け最新ドライバーもサポートされています。

Resolute Raccoonでは、GNOME Shellおよびデフォルトのアプリケーションでアクセシビリティ関連の修正が幅広く行われ、グローバルな規制に適合するとともに、使用当初から優れたのエクスペリエンスが得られます。また、App Centerにソフトウェア管理機能をすべて統合し、Debianパッケージのサポートを改良することで、アプリケーション管理の一貫性と堅牢性を高めます。

他のUbuntuリリースと同様、26.04 LTSには更新済みの言語ツールチェーンとコンパイラのセットが付属するため、サードパーティのリポジトリを使用せずに最新のアプリケーションを開発できます。

シリコンとの調和

Ubuntu 26.04 LTSは、ソフトウェアリポジトリの一部としてNVIDIA CUDAをネイティブに配布する最初のUbuntuリリースです。さらに、このUbuntuリリースから、ユーザーはNVIDIA DOCA-OFEDをインストールし、公式のPPAを利用して高性能のネットワークを実現できます。

AMD ROCmソフトウェアプラットフォームも、本リリースからUbuntuのリポジトリに加わります。AMD ROCmは、AMD InstinctやAMD Radeon GPU上で、AI、機械学習、HPCワークロードにハードウェアアクセラレーションを使用するオープンソフトウェアのエコシステムです。これによりワークロードが長期的にサポートされ、Ubuntuの代名詞であるシンプルな開発環境が得られます。

「AMD ROCmは、今回から信頼性の高いUbuntuパッケージのサプライチェーンで供給され、組織はデータセンターのサーバー全体で強力なAI機能を活用できます。開発者はAMD RadeonおよびRyzen™プロセッサベースのノートPCやデスクトップPCで、CanonicalのリポジトリからワンクリックでAMD ROCmにアクセスし、構築や展開をシームレスに実行できます。インストールと更新は簡単かつ確実で、協調性も十分に検証済みです。」

Advanced Micro Devices, Inc.、上級副社長兼最高ソフトウェア責任者、Andrej Zdravkovic氏

このリリースから、Canonical Livepatchの再起動なしでカーネルのパッチを行う機能がArm64でも利用可能です。Arm64のサーバーおよびエッジハードウェアでUbuntuを実行している組織は、サービスの中断なしに重要なカーネルに更新を適用できます。

「エージェント型AIや常時オンのワークロードが実運用に移行すると、ダウンタイムの最小化が不可欠です。CanonicalのUbuntu 26.04 LTSは、、Kernel Livepatchにより、システムをフル動作させながら重要な脆弱性に対処します。この機能は、安全でスケーラブルなAIインフラストラクチャを目指し、ArmおよびアップストリームのLinuxコミュニティとの緊密な協力で開発されました。」

Arm社、クラウドAI事業部、サーバーエコシステム開発担当ディレクター、Bhumik Patel氏

このたびUbuntuはRISC-Vのベースライン標準であるRVA23を完全にサポートしました。これによりRISC-Vで革新を進めているチームは、混在アーキテクチャ環境も含めて、プラットフォームを最大限に活用できます。

さらにUbuntu 26.04 LTSは、Intel® Trust Domain ExtensionsとAMD SEVの両方で、ゲストとホストのコンフィデンシャルコンピューティングに対応し、機密性の高いAIのユースケースをシリコンレベルの暗号化で保護します。

「Ubuntu 26.04 LTSは、当社のコンフィデンシャルコンピューティングスタックの最も強固な基盤です。これによって、Intel、AMD、NVIDIAのハードウェアにわたって、検証可能なプライベートAIワークロードすべてに、安全に設計された単一のイメージをデプロイできます。ハードウェアごとの変更は必要ありません。」

Tinfoil、共同創設者、Jules Drean氏

カーネルからクラウドまでのパフォーマンス最適化

Linux 7.0を基盤とするUbuntu 26.04 LTSは、リリース時点で最新のアップストリームカーネルを配布するというCanonicalの方針を引き継いでいます。

ハードウェア互換性について最も大きな追加点の1つが、Intel® Core™ Ultra Series 3プロセッサ(コードネームPanther Lake)のサポートです。Linux 7.0では、Intel Xe3統合グラフィックおよび統合NPU(Neural Processing Unit)をターゲットとして最適化が行われているため、高いAIパフォーマンスが得られ、電力効率も改善されています。

産業用や組み込み用を想定し、Ubuntu 26.04 LTSにはIgH EtherCATマスターモジュールおよびGeneric Ethernetドライバーがカーネルに組み込まれています。EtherCATはリアルタイムの産業用ネットワークプロトコルで、IgHマスタードライバーによりマイクロ秒レベルのタイミング精度がOSにネイティブで組み込まれるため、エンジニアがモーション制御システム、ロボティクスプラットフォーム、複雑な工場自動化を構築するとき、統合作業の負担が大幅に減少します。

AWS、Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloudのすべてについてイメージが最適化されているため、開発者とエンタープライズは、最も要求の厳しいパブリッククラウドのワークロードでもUbuntu 26.04 LTSを安心して使用できます。

企業内の使用に適したセキュリティと管理性

Ubuntu 26.04 LTSは、メモリセーフなシステムコンポーネントの数を拡大した最初のUbuntuリリースです。具体的には、新しいカーネルドライバーとサブシステムがRust、sudo-rs、uutils、coreutilsで作成され、sudo、ls、cp、mvなどの基本的なシステムツールがメモリセーフに再実装されました。

「Ubuntu 26.04 LTSは、主要なLinuxディストリビューションがメモリの安全性に対して真摯かつ継続的に取り組むことで何が可能になるかを示す、興味深い実例です。カーネル、sudo、コアシステムユーティリティのすべてにRustを採用したことで、Canonicalは全世界の数百万のエンタープライズユーザーについて、セキュリティのベースラインを引き上げました。Rust Foundationは、このような種類のインフラストラクチャ作業を可能にする言語エコシステムを誇りを持ってサポートし、Ubuntu 26.04 LTSが実運用グレードのLinuxの新しい標準を規定することに期待しています。」

Rust Foundation、エグゼクティブディレクター兼CEO、Dr. Rebecca Rumbul氏

TPM支援によるフルディスク暗号化がUbuntuインストーラーで一般に利用可能になりました。TPMチップを組み込んだハードウェアと暗号化を連携することで、ディスク暗号化が特定のデバイスと紐づけされ、物理アクセス攻撃が大幅に困難になり、ユーザー体験も改善されます。

LandscapeをUbuntu Desktopインストーラーに統合することで、エンタープライズワークステーションのプロビジョニングが単純化されます。これにより、エンタープライズユーザーはUbuntu Proサブスクリプションで利用可能なCanonicalのシステム管理ツールで、自社のUbuntuワークステーションを自分でプロビジョニングできるようになります。

このLTSリリースでは、よりユーザーフレンドリーなアクセス許可プロンプト環境がプレビューモードで取り入れられ、管理を容易にするためセキュリティセンターへの初期の統合も行われました。

Authdオープンソースサービスも公式のUbuntuリポジトリで入手でき、クラウドIDプロバイダーで認証を実行できます。このツールにより、組織は追加のインフラストラクチャを必要とせず、UbuntuデバイスをEntra ID、Google IAM、および標準に準拠した任意のOIDC IDプロバイダーに対して認証できます。

充実したエンタープライズ機能を持つUbuntu 26.04 LTSでは、cloud-initとUbuntu Pro for WSLを統合した新しいWSLエクスペリエンスが実現し、Landscapeによりシームレスな大規模の管理とセキュリティコンプライアンスが可能になります。

Canonicalについて

Ubuntuを提供するCanonicalは、オープンソースのセキュリティ、サポート、サービスに特化した企業です。ポートフォリオには、極めて小型のデバイスから大規模なクラウド、カーネルからコンテナ、データベースからAIまで、重要なシステムを幅広く含みます。Canonicalは、大手技術ブランド、スタートアップ企業、行政、ホームユーザーを取引先に持ち、すべての皆様に信頼性の高いオープンソースを提供します。

詳細はcanonical.comをご覧ください。

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