Canonical、Ubuntu 22.10 Kinetic Kuduを公開
by Canonical on 16 November 2022
IoT開発者や企業IT管理者をサポートする暫定リリース
Ubuntu 22.10は本日よりhttps://ubuntu.com/downloadからダウンロードしてインストールできます。
コードネーム「Kinetic Kudu」の暫定リリースは、企業環境の開発者やIT管理者を想定して改善されています。IoTエコシステムを重視した最新のツールチェーンやアプリケーションも含みます。
CanonicalのCEOを務めるMark Shuttleworthは次のように述べています。「コネクテッドデバイスは革新の盛んな分野ですが、家庭やビジネスに新しいデジタルリスクももたらします。今回のリリースでは、新世代のIoTの使いやすさとセキュリティを重視し、Ubuntu 22.10を使用した組み込みデバイス開発やリモート開発を快適にする改善を数多く加えました。企業環境管理の新機能も加え、Landscapeの新しいベータ版が、アーキテクチャを問わず、社内のUbuntu環境全体の管理を容易にします。」
新しいツールが開発者のワークフローを最適化
Ubuntu 22.10では、Ruby、Go、GCC、Rustのツールチェーンが更新されました。
Ubuntu 22.10のOpenSSHは、デフォルトでsystemdソケットアクティベーションを使用するよう構成されているため、受信接続要求を受け取るまでsshdは開始されません。これにより、小型のデバイス、VM、またはLXDコンテナでUbuntu Serverのメモリ消費量が減少します。
また、Ubuntu 22.10には新しいdebuginfodサービスが付属し、Ubuntuに同梱されているプログラムをデバッグする開発者や管理者に役立ちます。gdbなどのデバッグツールは、必要なデバッグシンボルをHTTPS経由で自動的にダウンロードします。
Raspberry Piのマイクロコントローラと組み込みディスプレイのサポート
Ubuntu 22.10では、Raspberry Pi Pico Wなど各種のマイクロコントローラでMicroPythonがサポートされます。Ubuntuリポジトリにはrshell、thonny、mpremoteのすべてが揃っています。
Ubuntuのグラフィックスタックがkmsに移行したため、開発者はPiベースのグラフィックアプリケーションをデスクトップセッションの外で、Qtなどのフレームワークにより、Pi固有のドライバなしで実行できるようになりました。これにより、Raspberry Pi用のInky eInk HATシリーズ、各種のHyperpixel、Raspberry Pi Official Touchscreenなど、広範な組み込みディスプレイへのサポート拡大が補完されるようになりました。
企業環境管理ツールのアップグレード
Landscape 22.10の新しいベータ版は、アーキテクチャを問わずUbuntuの実行と管理を容易にし、サーバーからデスクトップまでUbuntu環境全体にわたる監視、管理、パッチの適用、コンプライアンス報告に対応します。今後ユーザーは、ArmまたはArmベースのプロセッサ(パブリッククラウド上のAmpere® Altra®ベースのARM64仮想マシンやRaspberry Piを含む)を搭載したコンピューターにLandscape Serverをインストールし、自宅での管理作業を簡素化することも可能です。
このリリースではRISC-Vプロセッサおよびハードウェアもサポートされており、ポータブルな管理システムとしてLandscapeを簡単に展開できます。
デスクトップの使い勝手とパフォーマンスの向上
あらゆるユーザーにとっての朗報は、GNOME 43の改良(GTK4テーマを含む)によるパフォーマンスと整合性の向上です。Quick Settings機能では、Wi-Fi、Bluetooth、ダークモード、電源設定など、よく使用されるオプションにすぐアクセスできます。
PipeWireオーディオプラットフォームでは、サポートされるオーディオデバイスが増え、Blutooth接続の改善もあって、ビデオ会議がさらに快適になりました。Linux 5.19ではインテル製デバイスの電力性能が向上しており、Ubuntuでマルチスレッドによる解凍に対応したことにより、マルチコアのデスクトップでSnapのパフォーマンスがアップしました。
最後に、Ubuntu Softwareで使用できる新しいSteam Snapは最新のMesaを含みます。このためホストOSを問わず、他のPPAの設定もなしに、常に最新の状態でゲームを楽しめます。
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