Ubuntu LTS のインスタンスを AWS で Ubuntu Pro にアップグレード
by Canonical on 12 July 2023
Amazon Web Services(AWS)は、Ubuntu LTSのユーザーが数クリックでUbuntu Proにアップグレードできる新しい機能を発表しました。このアップグレードにより、「universe」パッケージのパッチ、セキュリティ管理の5年延長、ライブカーネルパッチ、FedRampおよびFIPSモジュールへのアクセスなどのセキュリティ機能が追加されます。このブログでは、AWS License Managerを使用してUbuntu LTSのインスタンスをAWS上のUbuntu Proにアップグレードする手順を詳細にご紹介します。
Ubuntu 16.04 LTSやUbuntu 18.04 LTSなど、すでにサポートが終了した、またはまもなく終了するバージョンのUbuntuをご利用の方で、まだ新しいバージョンへの移行が決まらない場合はUbuntu Proへのアップグレードをおすすめします。
Ubuntu Proとは
Ubuntu Proは、Ubuntu Linuxディストリビューションの企業向けプレミアム版です。一般的なUbuntuディストリビューションに、標準版には含まれない機能やサポートを加えたものです。Ubuntu ProはAWS Marketplaceで提供され、AWSでの使用に最適化されています。
Ubuntu Proの特長
セキュリティの強化
Ubuntu Proは、データとインフラを保護する複数のセキュリティ機能を備えています。これにはカーネルのライブパッチ、SLAに基づきMain/Universeリポジトリの全パッケージに対応するセキュリティ修正、CIS/DISA-STIG規格を使用したハードニングスクリプトが含まれます。
FIPS 140-2コンプライアンス
Ubuntu Proは、暗号化モジュールのセキュリティ要件を定めた米国政府の規格である連邦情報処理標準(FIPS)140-2に適合しています。このコンプライアンスは、多くの組織が要求するセキュリティ基準をインフラが満たすことを示します。
長期サポート
Ubuntu Proは、最大10年の長期サポート(LTS)を含みます。つまり長期にわたってセキュリティの更新やバグ修正を受け取ることで、頻繁な大型アップグレードの必要がなくなります。
AWS License Managerを使用してEC2でUbuntu LTSからUbuntu Proにアップグレードするには
要件
- 16.04以降のUbuntu LTS EC2マシン
- AWS Systems Manager(SSM)が管理するインスタンス
- 最新のPro Clientツール:sudo apt install ubuntu-advantage-tools
- インスタンスのネットワークアクセス(こちらを参照)
使用中のインスタンスでSSMを有効化するには、AWS公式ドキュメンテーション、動画チュートリアル、手順説明書に従ってください。
使用中のインスタンスがSSMで管理されているかどうかを知るには、SSMコンソールを開き、アップグレードしたいインスタンスがフリート管理の中で管理ノードとして表示されているかどうかを確認します。表示されていない場合、上記のリンクに従って手順を正しく完了してください。SSMエージェントを有効化するにはインスタンスの再起動が必要な場合があります。
ステップ1:インスタンスを閉じる
EC2ダッシュボードを開き、アップグレードしたいインスタンスをすべて閉じます。
ステップ2:Ubuntu Proにアップグレードする
- AWS License Managerを開き、左側のメニューから [License type conversion(ライセンスの種類変更)] を選択します。
- [Create license type conversion(ライセンスの種類変更を作成)] ボタンをクリックします。
- ドロップダウンメニューから [Ubuntu LTS] を選択し、アップグレードしたいインスタンスを選びます。
- [Next(次へ)] をクリックし、[Ubuntu Pro] を [License type destination(変更後のライセンスの種類)] に指定します。
- 情報を確認し、[Convert(変更)] をクリックします。
変更には少し時間がかかる場合がありますが、License Managerダッシュボードに進捗が表示されます。
ステップ3:アップグレードを確認する
変更が完了した後、アップグレード済みのインスタンスのいずれかにログインし、以下のコマンドでアップグレードを確認します。
pro status
出力にはインスタンスがUbuntu Proを実行していることが表示されます。
サポートが必要な場合
Ubuntu Proに加えて電話やチケットによるサポートが必要な場合、あるいは大量のご利用について営業担当者との相談をご希望の場合は、メールまたはお問い合わせフォームからお問い合わせください。
結び
Ubuntu Proへのアップグレードにより、インスタンスのセキュリティとコンプライアンスが強化されます。AWS License Managerでは、Ubuntu LTSのインスタンスからUbuntu Proへ数クリックで簡単にアップグレードできます。本ブログの手順に従ってインスタンスをアップグレードし、Ubuntu Proの利点をご活用ください。
参考資料
ニュースレターのサインアップ
関連記事
ワットあたりのトークン数だけではない:Ubuntu 26.04 LTSをAIに利用するメリット
TpW(Tokens per Watt)、つまり消費電力1ワットあたりの生成トークン数は、企業のCEO、AI責任者、インフラストラクチャ担当者が最も重視する指標です。GPUクラスターの運用には莫大なコストがかかるため、投資から可能な限り大きな価値を引き出すことが重要なのです。 しかしTpWを追求する際には、データセンターの運用コストやAIの成果(収益につながる)を左右するのがハードウェア効率だけではないことを考慮する必要があります。TpWは重要な指標ですが、価値を得るまでの時間を短縮し、人間の生産性を高めることも重要です。そしてこれらは主にソフトウェアによって決まります。 Canonicalは、Ubuntuを効率的なAIの基盤となるソフトウェアにしたいと考えています。この […]
Ubuntu Proとは?
Ubuntu Proは、オープンソースのセキュリティ、サポート、コンプライアンスに対応したCanonicalの包括的なサブスクリプションです。ここでは、15年間のセキュリティメンテナンス、24時間サポート、自動堅牢化ツールなど、Ubuntu ProサブスクリプションがIT管理者に提供するメリットの数々をご紹介します。 Ubuntu Proのメリットは? Ubuntu Proは、セキュリティとコンプライアンスを目的としたサブスクリプションであり、オペレーティングシステム、アプリケーションなど、IT環境の各レイヤーに対応するパッチやセキュリティメンテナンスを速やかに提供します。これにより企業やそのエンジニアは、ソフトウェアやシステムのセキュリティを強化し、堅牢化ツール、自動化 […]
Ubuntu 16.04 LTSのUbuntu Pro標準Expanded Security Maintenanceが終了。この後はどうする?
Ubuntu 16.04 LTS(Xenial Xerus)の5年間のExpanded Security Maintenance(ESM)が2026年4月に終了しました。16.04をまだお使いのお客様は、引き続きセキュリティとコンプライアンスを保つため、必ずサポートステータスを更新してください。 サポートのオプション これで16.04はレガシー段階に入りました。選択肢は主に2つです: レガシーアドオンとは レガシーアドオンとは、最初の10年間のライフサイクルを完了したLTSリリースに特化した拡張機能です。レガシーアドオンは、Linuxカーネル、重要なインフラストラクチャ、および数千ものオープンソースパッケージ用のセキュリティパッチを、ESMライフサイクルがすでに完了したL […]