リアルタイムUbuntuの一般提供を開始

by Canonical on 28 March 2023

リアルタイムUbuntuは、今日の企業の時間的制約のあるワークロードにエンドツーエンドのセキュリティと信頼性を提供します。リアルタイムコンピューティングのサポートは、オープンソースソフトウェアの利用を快適にするCanonicalの取り組みの一環です。

Canonicalは、リアルタイムUbuntu22.04 LTSの一般提供を開始しました。リアルタイムUbuntuは、外部イベントに対して確定的な応答を返し、所定の制限時間内における保証応答時間の最小化を目指します。新しい企業グレードのリアルタイムカーネルは、厳しい低レイテンシの要件に最適です。これにより産業、電気通信、自動車、航空宇宙、防衛、公共部門、小売の企業は、オープンソースオペレーティングシステム(OS)上で、負荷の厳しいワークロードを実行し、時間重視のさまざまなアプリケーションを開発できます。

Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるMark Shuttleworthは次のように述べています。「リアルタイムUbuntuカーネルは、ソフトウェア定義の製造、モニタリング、運用技術に産業グレードのパフォーマンスと回復力を提供します。Ubuntuは現在、NVIDIA、Intel、MediaTek、AMD-Xilinxシリコン上で動作する世界最高レベルのシリコン最適化AIoTプラットフォームです。」

最適化されたコンピューティングと確定的パフォーマンスで時間重視のアプリケーションに対応

Linuxカーネルの5.15バージョンをベースにして、Ubuntu 22.04 LTSはx86およびArmアーキテクチャ用のツリー外のPREEMPT_RTパッチを統合しています。PREEMPT_RTパッチセットは、カーネルレイテンシの削減によって時間制約の厳しいワークロードに対応し、タスク実行の時間的予測を容易にします。PREEMPT_RTを適用したUbuntuは、確定性の厳しい要件と実行時間の上限を満たし、メインラインのLinuxよりカーネルのプリエンプティブ性を高めます。

Canonicalは半導体プロバイダーからOEMやODMまで、世界トップレベルのパートナーエコシステムと協力することにより、ソフトウェアの世界でできることの水準を引き上げ、リアルタイムUbuntuで創造性と革新の新しい波を起こします。

Armのオープンソースソフトウェア担当バイスプレジデントであるMark Hambleton氏は次のように述べています。「Arm上でのリアルタイムUbuntuの商用利用は、オープンソースコラボレーションの力を実証し、クラウドからエッジまであらゆるコンピューティング分野にわたるArmのエコシステムにメリットをもたらします。ソフトウェア定義車両、スマートインダストリー4.0の工場、5G vRAN機能、高エネルギー効率のArm®ベースのハイパースケールデータセンターなど、CanonicalはArm上でコンピューティングの未来を実現します。

NVIDIAのエンタープライズおよびエッジAI担当バイスプレジデントであるJustin Boitano氏は次のように述べています。「当社はAIにおける世界的リーダーとして、インテリジェントエッジを強化するハードウェアとソフトウェアの高速化に注力しています。画像認識AI、5G、ロボティクス、自動運転車など、当社が開発するソリューションの多くは、エンドツーエンドのセキュリティを備えた超低レイテンシのリアルタイムOSに依存しています。リアルタイムUbuntuが企業グレードのLinuxオペレーティングシステムとして、この市場を加速することを期待しています。」

通信事業者、インダストリー4.0、車載用途に最適

リアルタイムUbuntuは、重要な通信インフラに適した性能、超低レイテンシ、セキュリティを提供するように設計されています。サービス品質と低レイテンシを必要とするワークロードが着実にUbuntuに移行されていることを受けて、Canonicalは5Gの通信ネットワークの変革ニーズを満たすようにリアルタイムカーネルを設計しました。

Canonicalの通信部門CTOであるArno Van Huyssteenは次のように述べています。「リアルタイムカーネルを搭載したCanonicalの業界トップクラスのUbuntu Proは、複数の業界のサービスプロバイダーと企業ユーザーに大きな価値を提供します。当社は安全性と信頼性の高いソリューションを提供することの重要性を理解しています。そのような理由から、Ubuntu Pro LTSで使用できるリアルタイムカーネルに対し、SLAで保証されたサポートを通信事業者向けに用意しています。修正、セキュリティパッチ、カーネルモジュールの統合、オペレーティングシステムプラットフォームのテストに社内で対応するには多額のコストが必要ですが、Canonicalの専門的技術とサポートを活用すれば、ビジネス目標の達成と同時に、オープンソース導入による経済的メリットと投資効果を妥協なく得ることができます。」

Canonicalは、リアルタイムコンピューティングのサポートにより、デジタルインフラストラクチャの限界を引き上げ、ロボティクスオートメーションの未来を前進させます。産業用PCからヒューマンマシンインターフェイス(HMI)まで、インダストリー4.0ではさまざまな場面でリアルタイムLinuxのサポートが必要です。この場合、確定性が重要なため、産業イノベーターは、リアルタイムOSを必要とするワークロードをエッジサーバーで実行したり、応答時間の厳しいリアルタイム制御ループを設けたりすることがよくあります。

AdvantechのディレクターであるEric Kao氏は次のように述べています。「Ubuntu認定ハードウェアは、組み込みLinuxを量産出荷する企業には理想的です。当社はUbuntu搭載ボードの大規模な展開を進めています。Canonicalが数年にわたってサポートする実運用向けのリアルタイムLinuxディストリビューションを利用することで、当社の企業ユーザーは自社の基幹業務に集中し、市場投入までの時間を短縮しています。」

リアルタイムUbuntuの一般提供により、Canonicalは今後もソフトウェア定義車両の道を切り開き、開発と展開を加速します。Canonicalの最先端のOTA更新機能とリアルタイムUbuntuの長期セキュリティメンテナンスを利用することで、OEMやティア1サプライヤーは安全性とセキュリティを備えたオープンソースソリューションを中心に置いてソフトウェア定義車両の戦略を構築できます。

AWSのソフトウェア定義車両担当ワールドワイドテクニカルリードであるStefano Marzani氏は次のように述べています。「AWSで業界最先端のLinux OSにアクセスし、AWS Gravitonプロセッサを活用すれば、自動車開発におけるハードウェアの同等性をさらに高めることができます。AWSは、Canonicalとの協力を通じてクラウド内でリアルタイムUbuntuの利用を可能にすることで、車載あるいは産業用ワークロードのような確定的動作を必要とするシステムの実装を、ハードウェアが提供される前でも、あるいはハードウェアのプロビジョニングと同時に始めやすくします。」

幅広い企業のITニーズに今すぐ対応

リアルタイムカーネルは、Ubuntu OSのすべてのバリアントで利用可能です。速やかにテクノロジーを活用できるよう、導入オプションは2つあります。

リアルタイムカーネルを搭載したUbuntu Server 22.04 LTSUbuntu Proを通じてご利用いただけます。Ubuntu ProはCanonicalの総合的なエンタープライズセキュリティおよびコンプライアンスのサブスクリプションであり、オープンインフラストラクチャのすべての要素をカバーします。またCanonicalは、コミュニティを大切にするという理念に基づき、オープンソースを手軽に利用していただけるよう、個人や小規模なビジネスには無料サブスクリプションをご用意しています。Canonicalは、製品を長くご利用いただけるよう、企業グレードのソフトウェアサポートとリアルタイムカーネルの長期メンテナンスを提供しています。たとえばベンダーは、基盤となるインフラの安定性とセキュリティを心配せず、付加価値のある作業に労力を注ぐことができます。

リアルタイムカーネルを搭載したUbuntu Core 22は、App Storeからご利用いただけます。Ubuntu Coreは、エッジデバイス向けに最適化され、完全にコンテナ化されたUbuntuのバリアントです。Canonicalはリアルタイムカーネルを搭載したUbuntu Coreの長期メンテナンスにより、デバイスの動作の信頼性を保証します。メーカーは、アクセスの難しい場所に設置され、多くは遠隔管理されている低消費電力の組み込みシステムに対して、非常に信頼性の高いソフトウェア更新を10年間にわたって受け取ることができます。リアルタイムUbuntu Coreに組み込まれているセキュリティは、バグ修正やOSのCVEパッチだけではありません。Ubuntu Core上のすべてのエッジアプリケーションは安全なサンドボックス環境に配置されます。フルディスク暗号化や厳密な隔離機能など、最先端のセキュリティ機能もメリットに挙げられます。

詳細情報

リアルタイムUbuntuは、負荷の厳しいワークロードにエンドツーエンドのセキュリティと信頼性をもたらします。企業や開発者はミッションクリティカルなデバイスのセキュリティと確定性の限界を引き上げることが容易になります。

Canonicalはシリコンベンダー、ボードメーカー、ODMと提携して、企業の市場投入までに要する時間を短縮しています。カスタムボードの有効化、実運用向けディストリビューション、長期サポート、セキュリティメンテナンスについては、Canonicalにお問い合わせください。

Ubuntu ServerとリアルタイムカーネルはUbuntu Proサブスクリプションでご利用いただけます。

リアルタイムカーネルを搭載したUbuntuCoreの導入についてはCanonicalにお問い合わせください。

リアルタイムUbuntuが技術革新を促進することについて、ウェビナーでご紹介します。

 

Canonicalについて

Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているオペレーティングシステムであり、スマートゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザー向けにエンタープライズセキュリティ、サポートおよびサービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。

ニュースレターのサインアップ

Ubuntuニュースレターの配信登録


お客様が購読登録を行われる場合、以下の条件に同意されたことになります。Canonicalのプライバシーに関するお知らせ個人情報保護ポリシー

関連記事

Ubuntu ProをNutanixのベアメタルKubernetesで提供

NutanixとCanonicalのパートナーシップ拡大によりコンテナ化されたワークロードの選択肢が増加 Enterprise Kubernetes®は、柔軟性の高いマルチアーキテクチャモデルへと進化しつつあります。AI/MLやデータ集約型のワークロードが膨大なハードウェアスループットを必要とする近年、組織はクラウドプラットフォームの安定性を維持しながら、ベアメタルのパフォーマンスを求めています。 このためNutanixとCanonicalは、このたび発表されたNKP Metalソリューションも含め、ベアメタルで実行するNKP(Nutanix Kubernetes Platform)インスタンスでもUbuntu Proを利用可能にしました。もともと2025年に発表されたパ […]

Ubuntu 26.04 LTSのセキュリティ最新情報

Ubuntu 26.04 LTSは、Canonicalにとって最もセキュリティを重視したLTSリリースです。単に機能を追加しただけでなく、システムのあらゆる層で同時にセキュリティの基準を引き上げ、全体的に強化しました。しかも既存の環境を壊したり、手動での介入が増えたりすることはありません。セキュリティの心臓部、つまりデフォルト設定に注力することで、CanonicalはUbuntuのセキュリティを新しい形で強化しました。この記事では、Ubuntu 26.04 LTSの新しいセキュリティ機能について概説します。 Ubuntu 26.04 LTS は、デスクトップ、サーバー、コンフィデンシャルVM、クラウドイメージ、エッジシステムでLinuxを運用する上で、今後10年間にわたっ […]

JammyからResoluteまで:Ubuntuのツールチェーンの進化

新しいツールチェーンのバージョン、devpack、開発体験を改善するワークフローをご紹介します。 Ubuntuのツールチェーンの進化は、単にGCC、LLVM、Pythonを提供することではありません。明確な目的を持つOpenJDKのバリアント、タスクに特化したdevpack、FIPS適合のツールチェーン、そしてsnap(新しい.NET snapやSnapcraftプラグインなど)の開発も含みます。このような改善により、これまで半日かかっていたセットアップが1〜2個のコマンドで済みます。これは、Ubuntu上でフレームワークやアプリケーションを開発する者にとって、まさに「摩擦のない」開発体験です。 このブログでは、Ubuntuの過去4年間のLTSリリースにおける変更点と今後 […]