Canonical
3 March 2023
自動車業界のデジタルディスラプション:新しい所有や移動のトレンドによる影響
未来のビジネスモデルを理解するポイント
車の所有に対する考え方はゆっくりと、しかし着実に変化しています。都市に住む人が増え、車のインターネット接続や自動運転の機能が進歩した現在、車の使い方も昔とは異なります。そして車の所有に対する考え方の変化が、経済にも大きな影響を与えています。
このホワイトペーパーでは、移動や車の所有に対する考え方に影響を与えるトレンドのほか、社会的、構造的要因について説明します。まず、交通機関を利用する習慣の変化について分析します。次に、車のデザインに対する思い入れから、移動サービスのメリットにお金を払うという価値観の移行について述べます。最後に、このようなトレンドすべてを結ぶソフトウェアの役割、そして車の所有の変化が自動車メーカーに与える影響を考察します。

車の購入と利用に影響を与えるトレンドは数多くあります。このセクションでは、そのようなトレンドと、その影響による移動の変化に注目します。比較的新しい現象から始めましょう。つまり、車を運転する人が減っているという事実です。
運転免許保有者の減少
英国では、2020年から2021年までに運転免許を持つ16~25歳の人数が10%減少しました。新型コロナウイルス感染症も一因かもしれませんが、このトレンドはすでに10年前から見られます。理由には、コストの上昇、運転に対する興味の低下、他の交通機関の発達などがあります。この変化は大半の先進国に共通です。テレワークや在宅勤務が普及するにつれ、今後もこの傾向は続くでしょう。運転免許保有者数が減れば運転する人も減ります。運転者が減れば車の購入数も減ります。
コストの上昇で購入が減少
OEMにとって市場が縮小しているか拡大しているかを判断するには、まず潜在的な購入者に注目する必要があります。都会に住む大半のミレニアル世代にとって車の値段は高すぎます。車に搭載する技術や安全部品が増え、OEMの多くが高級市場への移行を希望していることから、米国では昨年、新車の価格が14.3%上昇しました。潜在的な顧客の大半は、長期レンタルやリース購入契約を選ぶと思われます。
カーシェアやカープールの普及
環境意識の高い人や車をもっと活用したい人にとっては、カーシェアという選択肢があります。多くのカーシェア会社は、車を他人に貸した人に報酬を出す制度を持っています。多くの人が1台の車を運転することは、車の所有者にとっても環境にとっても良いことです。
カープールも、車の使い方の変化を示す良い例です。世界中でガソリンの価格が高騰する中、カープールの人気は高まっています。たとえばBlaBlaCarは四半期あたり2,500万人に利用されています。
結論
車の利用が簡単になり、面倒が少なくなるにつれ、車を管理するほうの手間は複雑になります。所有から利用への移行を乗り切るだけの資金や労力を確保することが最初の難関です。そしてこの難関は、すでに難しいソフトウェア定義車両への移行の一部に過ぎません。
車ファンであれ、デジタルノマドであれ、移動という問題がどこにも行かないことは間違いありません。