Canonical、Charmed Kubeflow 1.6を公開

by Canonical on 5 October 2022

包括的なMLOpsプラットフォームの最新版は高度なAI/MLトレーニングに対応

Ubuntuの提供元であるCanonicalは、エンドツーエンドのMLOpsプラットフォームに最適化済みの複雑なモデルトレーニング機能を加えたCharmed Kubeflow 1.6をリリースしました。Charmed Kubeflowは、Kubernetesで使用するオープンソースの機械学習ツールキットであるKubeflowの企業向けディストリビューションです。

Charmed Kubeflow 1.6は、Kubeflowのアップストリームプロジェクトと同じスケジュールでリリースされます。この最新バージョンはKubeflowのロードマップに従ってパフォーマンスが改善され、高度なモデルトレーニング機能を備えています。

デジタル改革をスピードアップ:モデルのコンセプトから本番導入まで

データサイエンスチームはCharmed Kubeflowによってタスクを自動化して生産性を向上し、企業のコスト削減に貢献できます。このプラットフォームのコンポーネントはcharm、つまりKubernetesで保守やセキュリティの処理を自動化するオペレーターを使用します。データサイエンティストはcharmでワークロードを速やかに展開し、モデルを効率的に市場化できます。

2022年のIBM Index AIレポートによれば、AI/MLを導入した企業は昨年35%に達しました。利点は明白です。たとえば、MLを使用して推奨利益を算出した銀行は、売上の10%増加、資本投資の20%削減、現金回収の20%増加、チャーンの20%減少を実現しました。データサイエンスのワークフローを自動化するツールの選定は、AI/MLプロジェクトへの投資を短期間で回収するために不可欠となりました。

MLOpsによるデータ処理と追跡機能の改善

Charmed Kubeflow 1.6は、展開を高速化するだけでなく、データ処理をさらにシームレスにします。Kubeflowの2022年の調査では、企業にとってデータの処理と変換が最も困難で時間を要することが明らかとなりました。さらに、データは各種のソースから送られ、それぞのソースには独自の処理と依存関係が存在します。

Charmed Kubeflow 1.6では追跡機能が改善されています。  AI/MLモデルを効果的に測定でき、進化とデバッグも簡単になります。このソリューションはデータのドリフトを検出し、モデルが迅速に適合できるようにします。Charmed Kubeflow 1.6ではトライアルログの追跡機能も改良され、データソースに障害がある場合も効率的にデバッグできます。

AIのトレーニングとモデリングの最適化

AI/MLのモデルを本番環境に導入するには最大で15回の反復が必要ですが、そこに達するのは半分程度です。Charmed Kubeflow 1.6は集団ベースのトレーニング(PBT)をサポートし、モデルの反復を加速して、モデルが実運用に耐えられる状態に到達する可能性を改善します。MPIオペレーターにより、大量のデータを効率的にトレーニングできます。PyTorch弾力的トレーニング拡張機能により、モデルのトレーニングがより効果的になり、MLエンジニアはすぐに作業を開始できるようになります。

Charmed Kubeflow 1.6の技術的な詳細

Canonicalは2022年9月8日に、Charmed Kubeflow 1.6について詳しく語るライブストリームを主催します。ここでは、アップストリームのKubeflowや、Canonicalのロードマップに含まれているいくつかのトピックの技術的な詳細についても解説します。このライブストリームでは次の内容について触れます。

  • 新規リリース
  • オープンソースコミュニティへの参加の重要性
  • オープンソース製品の開発に伴う課題
  • アップストリームリリースとCanonicalのCharmed Kubeflowとの相違点

今後のウェブキャストでは、ベータ版についてライブストリームで紹介した機能をさらに詳しく説明します。当初のライブストリームはYouTubeでご覧ください。イベントをFacebookLinkedInに保存していただければ、Canonicalの今後のイベントもお知らせします。

ニュースレターのサインアップ

Ubuntuニュースレターの配信登録


お客様が購読登録を行われる場合、以下の条件に同意されたことになります。Canonicalのプライバシーに関するお知らせ個人情報保護ポリシー

関連記事

ワットあたりのトークン数だけではない:Ubuntu 26.04 LTSをAIに利用するメリット

TpW(Tokens per Watt)、つまり消費電力1ワットあたりの生成トークン数は、企業のCEO、AI責任者、インフラストラクチャ担当者が最も重視する指標です。GPUクラスターの運用には莫大なコストがかかるため、投資から可能な限り大きな価値を引き出すことが重要なのです。 しかしTpWを追求する際には、データセンターの運用コストやAIの成果(収益につながる)を左右するのがハードウェア効率だけではないことを考慮する必要があります。TpWは重要な指標ですが、価値を得るまでの時間を短縮し、人間の生産性を高めることも重要です。そしてこれらは主にソフトウェアによって決まります。 Canonicalは、Ubuntuを効率的なAIの基盤となるソフトウェアにしたいと考えています。この […]

Ubuntu Proとは?

Ubuntu Proは、オープンソースのセキュリティ、サポート、コンプライアンスに対応したCanonicalの包括的なサブスクリプションです。ここでは、15年間のセキュリティメンテナンス、24時間サポート、自動堅牢化ツールなど、Ubuntu ProサブスクリプションがIT管理者に提供するメリットの数々をご紹介します。 Ubuntu Proのメリットは? Ubuntu Proは、セキュリティとコンプライアンスを目的としたサブスクリプションであり、オペレーティングシステム、アプリケーションなど、IT環境の各レイヤーに対応するパッチやセキュリティメンテナンスを速やかに提供します。これにより企業やそのエンジニアは、ソフトウェアやシステムのセキュリティを強化し、堅牢化ツール、自動化 […]

Ubuntu 16.04 LTSのUbuntu Pro標準Expanded Security Maintenanceが終了。この後はどうする?

Ubuntu 16.04 LTS(Xenial Xerus)の5年間のExpanded Security Maintenance(ESM)が2026年4月に終了しました。16.04をまだお使いのお客様は、引き続きセキュリティとコンプライアンスを保つため、必ずサポートステータスを更新してください。 サポートのオプション これで16.04はレガシー段階に入りました。選択肢は主に2つです: レガシーアドオンとは レガシーアドオンとは、最初の10年間のライフサイクルを完了したLTSリリースに特化した拡張機能です。レガシーアドオンは、Linuxカーネル、重要なインフラストラクチャ、および数千ものオープンソースパッケージ用のセキュリティパッチを、ESMライフサイクルがすでに完了したL […]